「高加水湯種食パン」角食は計算が大切。「型比容積」と「焼減率」
今月の食パンコース、
「高加水湯種食パン」のレッスンレポートです。
このパンは、コースの中でも一番手ごわいパン。
湯種を入れて、さらに加水を上げて捏ね上げている生地は
ゆるゆるやわやわ。
機械ごねだからこそできるパンかなと思います。
けれど、絶対に美味しいので、リピするかしないかは
好みで別れるかもしれませんねー。
2年前のこのレッスンに参加された生徒さん、鬼のようにリピしてくださっていて、
朝食用の定番パンになっている、と、先日コメントくださいました。
2年という時間差も手伝って、ものすごく嬉しい言葉でした。
でもでも、味の好みだけは押しつけられないですから、
「作業性」と「味わい」を天秤にかけてみてください♪
手ごわい点その1は、
なんといっても、その生地の扱い。
ゆるゆるやわやわをどうやって攻略(?)するかは、
説明しながら作っていただいていましたが
お家でもやる気になっていただけたらなぁと思っています。
もうひとつの手ごわい点は、
ご自宅で使っている型の大きさ。
このレッスンに先がけて、コース受講の皆さんに宿題をだしてあり、
ご自宅にある食パン型の容積を量っていただいていました。
実際、教室と同じと思っていた型のサイズが
実は大きく違っていた、という発見が今年度も複数件!(驚!)
角食は、中に入れる生地の量が一つの大切なポイント。
「型比容積」で割り出します。
このパンでは、3.6で計算しています。
(型比容積はパンによって違います)
なので、持っている型のサイズが違っても、
生地量を調整して、角食を焼くことができます。
ちなみにこれ↓は、別のパンの例ですが、
生地だけ先に作っておき、角食として生地量を調整したら、
余ってしまいまして・・・
ちょうどミニ食パンに入る分量だったので、
うまくおさまりましたの図です。
さて、このパンの味ですが、
余計なものを入れないシンプルな配合で
ホシノ酵母のあの深い味わい。
食感は、湯種でもちもち・高加水でしっとり
そして、柔らかさの長持ちするパンに焼きあがっています。
湯種を前の晩に作って寝かせる、という手間こそありますが
それがこの効果につながっているので
ぜひとも、1回くらいは、復習してみてくださいね!
生徒さの、お持ち帰り生地は、
サイズ違いの角食になったり、山食ならもりもり窯伸びしていて
立派なコたちに焼きあがっている様子でした。
インスタからも拝見させていただきました♪
ご参加のみなさま、ありがとうございました。
コチラ↓は、同じ型で山食にしたバージョン。(私の)
もりもり膨らむということは、クラムは軽~く
角食とはまた違った食感のパンになりました。
ところで、タイトルにある「計算」ですが、
型比容積のほかに、今回は、焼減率の計算もしました。
(計算ばかりで、数学の教室のようでした、いや、割り算だけだから算数レベルですね)
この焼減率は、
【焼成の前と後で、どれだけ水分が蒸発したか、の比率を、パーセントで表したもの】
です。
角食なら、8~10%が適切と言われています。
このパンを、レッスン内で計った際は、ほぼ10%、
その後私の宿題生地で計ったのも、10%ぴったりでした。
この焼減率が低いときは、焼きが足りないことも考えられるので、
焼成の目安になるかなと思います。
一緒にレッスンしている、はちみつ食パン↓は、山食の計算であれば12%が適切なのですが、
量るとだいたい10~11%でした。
これは、焼きが足りないのではなく、そもそも生地が、バターロール並みにリッチなせい。
(バターロールは焼減率10%程度です)
この食パンコースは、コースレッスンA~Eを終えられた方や
長くフリークラスに通ってくださっている生徒さんがほとんどなので、
より深い内容も盛り込んであります。
有意義な時間になれていたら嬉しいです。
残す2レッスン1・2月も全力でお伝えしたいと思っています。
ランチの様子や、もうひとつのパン「はちみつ食パン」は
次の投稿にて。