3つの酵母で「米粉食パン」「米粉プチパン」
小麦粉の値上げが続くなか、
米粉の存在が話題にのぼります。
私の知っている範囲での米粉パンの目的は、
初期の頃(20年前頃)は、
米の消費拡大の観点が大きかったように思いますが
徐々に、グルテンフリーの点が注目されてきて、
現在は、安定した在庫と価格から小麦粉の置き換えていると感じます。
単価としてはまだまだ小麦粉よりは高めの米粉ですが
上記3点からも米粉パンの意義はとても高いと思います。
最近では米粉パンを作る方がほんとうに増えて
さまざまなタイプの米粉パンがあり、
情報もたくさんありますよね。
私の好きな米粉パン
私が食べたいなと思う米粉パンは、
やはり、当初から作っていたタイプのパン。
もちっとした食感がしつつも
小麦パンと同じように食すことができ、
そして、がっつりではなくほんのりとした米の味を感じられるパンです。
グルテンフリーではなく、米粉配合小麦パン、といった
特に肩肘張らずに作る米粉パンです。
米粉パン3種焼いてみました
先日、そんなことを考えていたら
米粉パンを焼きたくなって、
いろいろ作ってみることにしました。
製法や、酵母を変えつつ3種類。
基本的に、米粉配合は30%です。
(私の好きな配合がこれくらい)
奥右・酒種
奥左・ホシノ酵母 湯種製法
手前2種・白神こだま酵母
全部の写真を逐一撮っていないので、
断片的写真を添えてパンの説明と感想などを以下に。
酒種酵母「米粉食パン」
酒種酵母を使い、
小麦の30%を米粉に置き換えた食パン。
HB(ホームベーカリー)おまかせプログラムで焼き上げようとセットしておいたのですが、
仕上げ発酵時点で時間調整をしたくなり、
焼成に入る1時間前くらいに
1斤食パン型(12cmキューブ型)へ入れ直して発酵させました。
結局は手動で発酵の見極めをしたことになりますが
焼成はHBの焼成機能を使って焼き上げています。
下からの強いヒーターでしっかり焼き色もつき
ミミもしっかりと焼き上がりました。
酒種酵母の白さと、米粉が白いことで
普段の小麦パンより白さ際立っています。
このパンは外パリっと腰折れせず、
中ふんわりもっちりと焼きあがりました。
ホシノ酵母「米粉湯種食パン」
酵母はホシノ、
米粉30%はそのまま全量を湯種にして
パン生地に配合して捏ね上げました。
以前レッスンした「食パンコース」米粉湯種食パンのレシピから配合調整しました。
(食感やらいろいろ↓で語っていますのでご興味あればどうぞ)
個別写真を撮れていないので、
↓こちらの左奥のパンを参考に。
通常の細長い1斤型で3山にして焼きました。
米粉は湯種にすることで、2日後のパサ感も減り
何より焼きたてはやわやわもちもち。
実は腰折れ寸前で、スライスのパンも、
ぎりぎり立てかけられる柔らかさです。
白神こだま酵母「食パン・プチパン」
酵母は白神こだま酵母。
配合は通常のシンプルなパンのレシピから
30%米粉置き換えしました。
やわやわもちもちで、焼き立てを網に移す際は
どちらのパンとも柔らかくて”ふにゃり”と潰れそうでした。
グルテンが少ないのでやわらか。
そして米粉の特徴でもっちり。
見かけはちょっとごつごつした感じなのですが
実はやわやわクラストなのです。
他の酵母に比べ、早く作れるメリットのこだま酵母。
焼き上がりまでの時間が4時間程度と短く
気軽に取り組めます。
逆にのんびり構えていると、発酵についていけなくなるので要注意(笑)
食感としては、数日たつと固さとパサ感が出やすい気がします。
他のパンは8時間以上かけていることを考えると
吸水時間の短さが原因かなと。
事前に吸水に時間をかける、とか、米粉を湯種にしたら
もっと粉っぽさもなく、長くもちもちふんわりが楽しめるのではと思いました。
*
米粉パン、どんな酵母でもどんな製法でも
それぞれに米粉パンらしいやわもち食感が楽しめます。
次はどんな酵母でどんな製法でどんな配合のパンにしようか
それを考えるのも楽しいですネ。
米粉のお菓子なども作りたくなってきていて
米粉ブームが、静かに静かに私の中に再来しています。